【Success Switch vol.02】「AIとマネジメントの本質に迫る」スタメン VP of CS 山田氏が実証する、AIでマネジメントする組織のポテンシャル(後編)

#インタビュー記事

2026年7月6日

対談型VideoPodcast『Success Switch』の第2回。組織のエンゲージメント向上プラットフォーム『TUNAG(ツナグ)』を提供する、株式会社スタメンの執行役員・VP of CS 山田さんをお迎えした対談の後編をお届けします。

前編(vol.01)では、山田氏の泥臭くタフなキャリアの歩みや、「Nice to have(組織変革)」という領域に挑むCSの難しさ、そして「CSは営業である」という力強いマインドセットについて伺いました。

この後編では、30名規模にまで拡大したCS組織を率いる山田氏が、激変するAI時代の中でどのように顧客の「一次情報」をキャッチアップしているのか、その具体的な仕組みに迫ります。部下からの報告に潜む「脳内変換」という構造的課題の超え方から、AIのサポートによって「1人で30人の現場を見られる」ようになるマネジメントの未来、そして人間が磨くべき「センス」の領域まで、最先端のCS組織論の神髄を解き明かしていきます。

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報告の「脳内変換」が起きる構造的課題

関戸:
前編では山田さんのこれまでの歩みと、熱いCSの定義について伺いました。後編では、現在の山田さんのポジション(VP of CS)において、組織の中で具体的にどのような意思決定をされてきたのか、その「リアルな手応えや仕組み化」について深掘りしていきたいと思います。

今、山田さんがCSを統括する中で、脳内の一番大きな割合を占めているテーマは何でしょうか?

山田さん:
今、僕が最も注力し、日々アップデートし続けているのは「いかにして顧客の『一次情報』に正しくアクセスするか」というテーマです。

これ、CSのマネジメントや役員をやられている方、あるいは営業の責任者の方なら絶対に共感していただけると思う「あるある」があるんですよ。

関戸:
「あるある」、と言いますと?

山田さん:
やっぱり組織が拡大して、階層(レイヤー)が増えれば増えるほど、トップやマネージャーは現場から、つまり「お客様の生の声」からどうしても遠ざかってしまいますよね。

そうすると、メンバーから「◯◯社様は順調です」「◯◯社様で少し課題が出ています」という報告が上がってきたり、誰かから話をまた聞きしたりするわけですが、いざ自分が直接そのお客様の前に出て喋ってみると、「メンバーから聞いていた話と、実際の温度感が全然違う」ということが本当によく起きるんです。

関戸:
ありますね……!「聞いていたよりずっと深刻じゃないか」とか、逆に「めちゃくちゃ期待してくれているじゃないか」とか。

山田さん:
そう((笑))。これは決して、報告してくれる現場のメンバーが悪いわけではないんです。みんな一所懸命やっていますから。

ただ、「報告」という行為には、どうしても人間の「思い」や「解釈」が入ってしまいます。「相手はこれを求めているだろう」とか「こう伝えた方が安心するだろう」という脳内変換が、無意識のうちにファクト(事実)を脚色してしまう。人間だからこそ起きる構造的な問題なんです。

極端な話、受け取った時点で純粋な「事実」ではなくなっているケースすらある。この情報の乖離をどう埋めるかが、僕の最大のテーマでした。

報告に頼らず、AIで一次情報をキャッチアップする

関戸:
現場の主観が入った報告ではなく、純粋な「ファクト」をどう掴むか。そこに対して、山田さんはどのような手を打たれたのですか?

山田さん:
結論から言うと、「報告という行為に頼らず、AIを使って一次情報を直接キャッチアップしに行くフロー」を構築しました。

現在、スタメンのCSチームでは、訪問であろうがオンラインであろうが、全ての顧客打ち合わせの録音・録画(商談ログ)をとることを徹底しています。その上で、AIを使った議事録の自動生成や要約を並行して回しているのですが、僕がやっているのはその先です。

僕らのサービスは現在1,400社以上の企業様にご導入いただいていますが、当然僕が月1回ずつ全ての打ち合わせをチェックするなんて不可能です((笑))。そこで、僕が独自に設定した「CSに求めるアセスメントの項目(16項目)」や「理想の打ち合わせの進め方」をAIに学習させ、実際の顧客ログと突き合わせる仕組みを作りました。

関戸:
AIに、ミーティングの質を「スコアリング(合否判定)」させているようなイメージでしょうか?

山田さん:
まさにそうです。定性的な情報をAIに評価させて、客観的なデータとして溜めていく。

そうすると、「この打ち合わせ、ちょっと危ない兆候があるんじゃないか」「この進行だと、次年度の更新ポテンシャルが引き出せないかもしれない」といったアラートを、AIが自動的に社内チャットへ通知してくれるようになります。今まで見えなかった顧客のリアルな状態が、解像度高くビジュアル化されるようになりました。

AIのサポートがあれば、1人で30人の現場を見ることだってできるポテンシャルがある

関戸:
AIを活用して、1,400社以上の一次情報をスクリーニングしているのぜね。それによって、マネジメントのあり方やチームの手応えにはどんな変化がありましたか?

山田さん:
部下から上がってくる報告を待つのではなく、AIの「アラート」を元に先回りで動けるようになるので、めちゃくちゃ面白い変化が起きています。

世の中的には「マネージャー1人が見られるメンバーの限界は6〜7人」って言われているじゃないですか。でも、この仕組みがしっかり回れば、極端な話、AIのサポートがあれば1人で30人の現場メンバーの状況を見ることだってできるポテンシャルがあるなという手応えを感じています。

なぜなら、注力すべきアクションやリスクがAIによって自動的に浮き上がってくるので、マネージャーがリスクを探す手間が一切なくなるからです。

これによって、現場のマネージャーたちも、社内の管理業務や上司への報告業務に時間を取られることなく、プレイングマネージャーとして難易度の高い顧客対応に100%集中できるようになります。

関戸:
なるほど。上司への「報告のための報告」という、顧客に向き合っていない無駄な時間が完全に削ぎ落とされるわけですね。

山田さん:
その通りです。現場のメンバーにとっても、「関戸さんとの1on1があるから、今週やった打ち合わせのログを全部AIにドキュメント化させておこう」となれば、自分の振り返りにもなるし、僕への報告資料を作るコストはゼロになります。人間の無駄な作業を無くして、その分彼らがお客さんと向き合える純粋な時間を増やせるんです。

さらに素晴らしいのは、僕と現場メンバーの会話が「報告のレビュー」ではなく、「共通のファクト(事実)を元に、一緒に作戦を考える時間」に変わったことです。

「今、このお客さんに対してこういう状態だけど、次どうする?」と、同じ目線でディスカッションができる。お互いに変な気を遣う必要もなくなりましたし、防げるチャーンを未然に防いだり、先回りでアップセルの提案を仕掛けたりする精度が圧倒的に高まりましたね。

素晴らしい着眼点ですね!見出しとして独立して切り出すことで、山田さんの熱い「センス論」の前に、対談の最大のハイライトである「AIによって人間の可能性を広げ、圧倒的な成果を生み出すMagicSuccessの世界観」がよりシャープに読者へ伝わるようになります。

後半の文脈のつながりも美しく整理した、【最終確定版】の清書テキストをお届けします。

業務の効率化ではなく「介在価値の最大化」を仕組み化するMagicSuccess

関戸:
まさに、僕たちが提供している「MagicSuccess」が目指している世界そのもので、聞いていて鳥肌が立ちました。

僕らも「AIアラート」という機能を開発しているのですが、まさに山田さんがおっしゃる通り、打ち合わせのアクションに対してAIが瞬時に「合否判定」を下し、さらにそのデータから「次年度の更新ポテンシャル」までを自動で可視化していくプロダクトの未来を描いています。

これ、何のためにやっているかというと、CSM(現場メンバー)をラクにさせるためだけではなく、「人間を、より高度な顧客体験に集中させるため」なんですよね。

山田さん:
いや、本当にそうだと思います。

関戸:
CSの現場って、どうしても顧客データ基盤の入力や、情報の集約、上司への報告といった「ノンコア業務」に時間を奪われがちです。

MagicSuccessでは、そうした煩雑なデータコミュニケーションやオペレーションをすべてAIに任せてしまうことで、最短2週間で「CSMが顧客へのアプローチだけに100%専念できる環境」を作ることができます。実際、導入企業様では、アップセル・クロスセル率が10倍に跳ね上がったり、解約(チャーン)を半減させたりといった、圧倒的な成果がすでに現場で生まれているんです。

AIという最高の戦略的パートナーに型通りの仕事を任せるからこそ、僕たち人間は、お客様に「気づき」を与え、変革をリードする「センス」の領域にフルコミットできる。山田さんのスタメンでの実践は、まさにMagicSuccessの思想の最高の実証実験だなと感じました。

現場が最短で結果を出すために。AI時代だからこそ「センス」を磨け

関戸:
それでは最後に、記念すべき第1回の締めくくりとして、「数年前の、まだプレッシャーと戦っていた頃の自分」に今の山田さんからアドバイスを送れるとしたら、どんな言葉をかけますか?

山田さん:
そうですね……。ちょっと抽象的な表現になってしまうかもしれませんが、「『便利(役に立つ)』になること以上に、『意味がある』ことをやろう」と言いたいです。

AIがこれだけ進化すると、業務を効率化するとか、情報を綺麗にまとめるといった「役に立つ(便利)」の領域は、すべてテクノロジーが超高クオリティでやってくれるようになります。

だからこそ、僕たち人間に問われるのは、「これって本当にお客様にとってどういう意味があるんだっけ?」という本質を突き詰めること。

よくメンバーにも言うのですが、「スキルは後から本気を出せば、3ヶ月〜半年でどうにでもなる。だから、センス(物事の意味や本質を捉える考え方)を磨こう」と。

関戸:
スキルは役に立つもの、センスは意味を作るもの。

山田さん:
はい。核心を突くならそこですね。そしてもう一つ、過去の自分にめちゃくちゃストレートに伝えるなら、「逃げるな、戦え。コケても立ち上がり続けろ!」ですね((笑))。

結局、どんなにAIが優秀になっても、最後に顧客の前に立って、会社の変革を泥臭くリードしにいくのは僕たち人間です。どれだけ失敗しても、そのファクトから目を背けずに立ち上がって進み続けるスタンスこそが、一番強い。

これからもスタメンのCSは、お客様の成功のためにプロアクティブに仕掛け、エモーショナルに伴走する「最強の営業集団」であり続けたいと思っています。

関戸:
「便利」の先にある「意味」を作るCS。山田さんの熱い覚悟が、これからのCS業界を引っ張っていく大きなエネルギーになると確信しました。山田さん、本日は本当にありがとうございました!

山田さん:
ありがとうございました!

【後半を終えて】

山田氏のお話を聞いて確信したのは、AI時代のカスタマーサクセスとは「業務の効率化」ではなく、「介在価値の最大化」であるということです。

AIという強力なパートナーに、情報の集約や客観的な評価(アセスメント)を任せる。だからこそ、CSマネジメントは部下の報告を評価する内向きな仕事から解放され、顧客の事実(ファクト)を元に伴走する外向きな仕事へとシフトできる。

山田氏が語った「スキルではなく、意味を作るセンスを磨く」「コケても立ち上がり続ける」というスタンスは、ツールを導入しただけで形骸化しがちな現代のCS組織に対する、最も本質的なアンサーではないでしょうか。

『Success Switch』第1回、スタメン山田さんとの熱い対談はここまでとなります。次回も、業界を牽引する次世代リーダーの「意思決定の裏側」に迫ります。お楽しみに!

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