企業が今、注目してるカスタマーサクセスの意義とは?

#お役立ち記事 : CSの基礎

2024年4月1日

現代のビジネスにおいて重要な概念となりつつある「カスタマーサクセス」。今や世界中の企業が注目し、その拡大や成長を目指す企業にとって欠かせない存在となりつつあります。その名の通り、顧客の成功体験を実現する「カスタマーサクセス」とは一体どういうものなのか?その意義を理解していただくために本記事でわかりやすく解説していきます。

カスタマーサクセスとは?

「カスタマーサクセス(customer success)」とは、商品・サービスを提供する側から顧客に積極的に働きかけ、顧客が商品・サービスを最大限に活用し目標を達成することを支援し続けることで、顧客と企業双方に成功をもたらすための取り組み全般を指す言葉です。単に商品・サービスを提供するだけでなく、顧客と良好な関係を長期的に築き、積極的な顧客サポートや課題解決を行いながら、企業と顧客が共に成長していくことを目指すものです。

なぜカスタマーサクセスが注目されているのか?

現在カスタマーサクセスが注目されている背景には、ビジネスモデルの急激な変化が一番の要因です。従来のビジネス形態では、「商品・サービスを購入してもらうこと」をゴールとするのが主流でした。しかし近年では、クラウド型のSaaS事業を中心に、継続的な定額課金により利益を創出するサブスクリプションモデルが台頭し、その加速度的な成長は皆さんの知られるところです。これにともない、顧客と長期的に良好な関係を維持する重要性がさらに増加し、顧客の発展なくして自社の成功はないという考え方が浸透して行ったのです。

カスタマーサクセスが必要な業界と考えるべきポイント!

カスタマーサクセスが必要な業界とは?

カスタマーサクセスを言い換えると「顧客が商品やサービスから価値を最大限に引き出すのを支援することに重点を置いたビジネス戦略」とも言えます。これは、企業が顧客関係を構築し、維持し、拡大することに焦点を当て、より注力することで実現されるものです。そんなカスタマーサクセスが特に必要な業界としては、次のようなものが挙げられます。

サブスクリプション型ビジネスモデル業界

 SaaS、PaaS、IaaSなどのクラウドサービス、ECサイトのサブスクリプション サービスがカスタマーサクセスを最も必要とする業界と言えるでしょう。これら のサーボスでは、顧客が継続的に利用し続けることで収益が得られるため、カス タマーサクセスを促進し、顧客の満足度を維持することで解約を防ぎ、利用率を高めることが特に重要となっています。

顧客単価が高い業界

コンサルティングサービス、システム開発、医療機器など、顧客単価が高い業界 では、顧客との長期的な関係構築が収益に大きく影響します。顧客満足度を高  め、リピーターを獲得するために、カスタマーサクセスが重要になります。

顧客の成功が自社の成功に直結する業界

金融機関、教育機関、製造業など、顧客の成功が自社の成功に直結する業界で  は、顧客の課題解決を支援し、目標達成をサポートすることが重要です。カスタ マーサクセスを通じて、顧客との信頼関係を築き、パートナーシップを構築することができます。

カスタマーサクセスの重要なポイント

カスタマーサクセスを成功させるには、いくつか重要なポイントがあります。それぞれについて詳しく解説します。

顧客の成功が何かを理解する

ただ顧客に対して支援を行っていても、顧客の満足度は上がらず利用の継続やアップセル・クロスセルにはつながりません。そのため、支援するときは、その商品・サービスを利用することによって「何が顧客の成功となる得るのか?」をしっかり見極めておくことが重要です。また、自社のサービスが顧客に本当に必要なのかを考えることもポイントです。目先の売上のために顧客の課題を解決できない製品やサービスを販売しても、顧客の成功につながらないばかりか、短期解約や自社へのイメージの低下につながるでしょう。だからこそ、顧客の成功が何かを理解し、貢献できるサービスの提供や提案がより重要になるのです。

全社で取り組む

カスタマーサクセスはさまざまな部署と連携して行うものです。セールスやマーケティングはもちろん、開発や経営、管理などの部門とも連携が必要になります。顧客の情報をセールスに活かしてアップセルやプロダクトの改善につなげることで、カスタマーサクセスの達成により近づくことができます。顧客の状況はもちろん、KPIやそのための戦略などを共有し、必要に応じて連携したりフォローし合ったりと、全社でカスタマーサクセスに取り組むことが重要です。

SFAやCRMの活用

前述のKPIを的確に追うためにも、データの蓄積や分析のために、SFA(営業管理システム)やCRM(顧客管理システム)が重要となります。大量のデータを管理し全社的に共有するには、例えばExcelなどを利用した場合、リアルタイムな更新がしにくいかもしれません。また、担当者ごとに管理の意識に差があることで、顧客情報に偏りが出る場合もあるでしょう。そうなれば、社内にノウハウが蓄積されず、属人化が加速します。カスタマーサクセスの実現のためには、顧客の購入履歴はもちろん、利用情報や問い合わせの履歴など、すべてのコミュニケーションの履歴を一元管理できることが望ましいです。そのためにも、SFAやCRMの活用が重要なポイントになります。

カスタマーサクセスツールを導入することで得られるメリット

カスタマーサクセスの実現については多くの重要なポイントがあります。このような取り組みについては従業員の業務や従来のシステムでは到底追いつきません。そこで、先端の「カスタマーサクセスツール」を導入することが推奨されています。そのメリットとしては以下の通りです。

カスタマーサクセス実施における手間の軽減と効率化

カスタマーサクセスツールを活用することで作業工数が劇的に減少し、担当者の手間が軽減され効率化が促進されます。

顧客の状況に応じた対応

顧客の状況に応じたサポートを適切なタイミングで行えるアラート設定ができるため、製品・サービスの利用率が下がった顧客や、契約期間が迫った顧客の情報に即座に気がつけます。その結果、優先すべき顧客を見極め、適切な対応が行えるようになるのも大きなメリットです。

複数の部署で管理する顧客情報の一元管理が可能

顧客はカスタマーサクセスだけではなく、カスタマーサポートや営業、販売部署ともやりとりするケースもあります。そのため、各部署の持つデータがバラバラのままでは適切なアプローチができません。ツールを活用して顧客情報を一元化すれば、それが可能になります。

KPI設定の効率化、工数削減を実現

顧客情報の一元化が可能になれば、顧客理解が進み、KPIの設定もしやすくなります。またツールによっては、KPIの数値目標を自動で計算できる機能もあり、進捗の把握もひと目でわかるようになるでしょう。

カスタマーサクセスは今後どうなっていく?

先述の通り、企業経営の重要点がセールスやマーケティングから、購入後の成功体験へとシフトチェンジしつつあります。そのため、顧客の成功体験に大きく関わるカスタマーサクセスの需要や重要度は、今後ますます高まっていくと考えられます。

SaaS企業増加に伴うカスタマーサクセスの需要拡大

SaaSとは「Software as a Service」の略で、企業が提供するソフトウェアをインターネット経由でユーザーが利用できるサービスです。SaaSの代表例として、Microsoft Office 365やGmail、Dropboxなどが挙げられます。SaaS企業ではサブスクリプションサービスを軸とするものが多いため、SaaS企業の増加はカスタマーサクセスの需要・将来性に大きく関係しているのです。このSaaSの市場規模ですが、2018年以降毎年、前年度比120%~130%で伸長し続けているというのが現状です。情報通信業全体の売上高でも伸び率は3%前後ですので、いかに急速に拡大しているかが分かります。カスタマーサクセスの需要拡大は、このような市場のトレンドが背景となっているのです。この傾向は加速度的に増していくでしょう。

他社との差別化の必要性に伴うカスタマーサクセスの価値向上 

選択肢が多く情報もあふれる現代では、自社サービスに他社との決定的な違いを見出し、ユーザーに正しく伝えることが重要です。「差別化戦略」という言葉で知られる通り、効果的なブランディングの実現は多くの企業が試みています。ただしこのような戦略をとる企業が増えることで、市場のコモディティ化はさらに加速することも考えられます。そのため、常に顧客にとって何が成功なのかを意識しながら高付加価値をアピールし続けるカスタマーサクセスの必要性は、今後さらに高まると考えられるのです。

全ての企業にとって欠かせない存在となるカスタマーサクセス

いかがでしたでしょうか。改めてお伝えすると、カスタマーサクセス(Customer Success)とは、既に商品・サービスを購入している顧客に対し能動的に関わり「顧客のサクセス(成功体験)の実現」を支援し続けていくことです。今後さらにその重要性は増していき、いずれは世界中の全ての企業がその導入を検討する時代が来るでしょう。その波に出遅れず、競争を勝ち抜き企業成長・事業拡大を達成するためにも、カスタマーサクセスの意義を理解し、市場同行も把握し注視しながらカスタマーサクセスツールとともにその導入を検討することがこれからの企業にとっては避けて通れない道となりそうです。