カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いについて解説!

#お役立ち記事 : CSの基礎

2024年5月2日

カスタマーサクセスとカスタマーサポートは、企業が提供するサービスや製品における顧客体験を向上させるための重要な役割を担っています。しかし、その役割や目的には顕著な違いがあります。本稿では、この二つの概念を明確にし、それぞれがビジネスにおいてどのように機能するのかを解説します。

カスタマーサクセスとは?

カスタマーサクセス(Customer Success)とは、顧客が商品やサービスを利用する過程で最大限の価値を得られるように積極的にサポートする活動を指します。この考え方は、セールスフォースの創業者、マーク・ベニオフ氏が顧客がサービスを長期間にわたって継続して利用することで、解約率の増加を防ぐために提唱した概念です。

多くのビジネスモデルにおいて、顧客にサービスを長期間利用してもらい、利益率を向上させることは非常に重要なポイントとなってきます。そのため従来の新規顧客獲得に加え、既存顧客の満足度を高めることが求められるようになり、カスタマーサクセスの役割が生まれました。

カスタマーサポートとは?

一方で、カスタマーサポートとは顧客が直面する問題や疑問に対応し、解決策を提供することに焦点を当てた役割です。カスタマーサポートチームの主な目的は、顧客からの問い合わせに迅速かつ効果的に対応することにより、顧客満足度を向上させることです。このプロセスには、製品の不具合修正、操作方法の説明、アカウント関連の問題解決などが含まれます。カスタマーサポートの取り組みは主に反応的/受動的であり、顧客からの連絡があった時点で対応が始まり、顧客が直面する可能性のあるいかなる障害も迅速に解消し、製品やサービスの使用経験を滑らかにすることが重要なポイントです。

これらカスタマーサクセスとカスタマーサポートは、顧客体験を豊かにするために互いに補完しあう必要があります。カスタマーサクセスが顧客の成功を促進する一方で、カスタマーサポートはその過程で生じる問題を解決することで、顧客満足度を保ち、ロイヤルティを高めることが可能です。どちらもビジネスの成長と持続可能性に不可欠な要素であるため、それぞれの違いを理解し適切なバランスを取ったら連携を心がけましょう。

カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い5︎選

ビジネスにおいて、カスタマーサクセスとカスタマーサポートは顧客満足度を高めるための重要な役割を担いますが、そのアプローチや目標には大きな違いがあります。ここでは、その違いを「アプローチ方法」「用途/目的」、「KPI/KGI」、「顧客対応の永続性」、「必要スキル/取り組む内容」の5点に絞って解説します。

アプローチ方法

カスタマーサクセスでは、顧客に対するアプローチ方法としてプロアクティブなアプローチを取り入れています。顧客が問題に直面する前にコンタクトをとり、製品の有効な使い方やサービスの細かい説明を通した顧客の成功への最適なサポートを行います。

一方でカスタマーサポートでは、顧客に対するアプローチ方法としてリアクティブなアプローチを取り入れています。カスタマーサクセスのように先手を打った対応を行うことは少なく、顧客からの問い合わせや問題が発生した際に適宜顧客対応を行います。

用途/目的

カスタマーサクセスは、顧客が製品やサービスを利用して実際に成功を収めることを目指し、顧客が目標を達成する過程で遭遇する可能性のある課題を予測し、積極的に解決策を提供することが含まれます。その主な目的は、顧客との長期的な関係を築き、ビジネスの成長を継続的に支援することにあります。

一方でカスタマーサポートの主要な用途は、顧客が経験する問題や疑問に対応し、迅速な解決を提供することです。これは主に、顧客からの問い合わせに基づく反応的な対応であり、顧客の直面する問題を解決することで満足度を高めることを目的としています。

KPI/KGI

カスタマーサクセスのKPIやKGIは、顧客の成功と直接関連する指標に焦点を当てています。これには、顧客の維持率、アップセルやクロスセルからの収益、LTVなどが含まれ、顧客が製品やサービスを通じて長期的な価値を得ているかを測定します。

一方でカスタマーサポートでは、問い合わせの解決時間、顧客満足度スコア(CSAT)、ファーストコンタクト解決率(FCR)など、サービスの質と効率性を示す指標が重視されます。これらのKPIは、顧客サポートのパフォーマンスと顧客体験の質を反映しています。

顧客対応の永続性

カスタマーサクセスとカスタマーサポートは、顧客対応の永続性において大きな違いがあります。カスタマーサクセスは顧客の長期的な成功を目指し、継続的な関係を築くことを重視します。このアプローチでは、顧客が目標を達成し、成長する過程で必要となる支援を提供します。これには、製品やサービスの使用方法の最適化、新機能の紹介、業界のベストプラクティスの共有などが含まれます。

継続的な顧客対応は、顧客が直面するであろう将来的な課題への予防的な対応も可能にします。

一方、カスタマーサポートは、顧客からの具体的な問い合わせや問題に対して、短期的かつ効率的に解決策を提供することに焦点を当てています。この対応は主に反応的/受動的であり、顧客が直面する即時の障害や課題を取り除くことを目的としています。顧客が経験する問題が解決されれば、その対応は完了となります。このような短期的な対応は、顧客満足度の維持には不可欠ですが、カスタマーサクセスが担うような長期的な関係構築には直接貢献しません。

必要スキル/取り組む内容

カスタマーサクセスとカスタマーサポートの領域において、従事する人材が持つべき必要スキルとその職務内容は、それぞれの役割の根底にある目的と密接に関連しています。これらの職種では、顧客との関係構築、問題解決、および顧客体験の向上に貢献するための特定の能力が要求されます。

カスタマーサクセスにおいては、顧客のビジネス目標の理解と達成を支援するためのスキルが中心です。これには、戦略的思考能力コミュニケーションスキル、そして顧客のビジネスモデルと目標に対する深い理解が含まれます。カスタマーサクセスマネージャーは顧客と長期的な関係を築く必要があるため、信頼関係の構築や顧客の成功を第一に考える姿勢も重要です。また、顧客の使用状況やデータ分析を行い、製品やサービスの活用方法を提案する能力も必要とされます。

一方でカスタマーサポートの職務には、問題解決能力が最も重要です。顧客からの問い合わせに対し、迅速かつ効率的に対応するためには、製品やサービスに関する深い知識と、顧客の問題を理解し解決策を導き出す能力が求められます。加えて、忍耐力コミュニケーションスキルも不可欠であり、時には困難な顧客対応が求められることもあります。顧客の満足度を高めるためには、明確でわかりやすいコミュニケーションと、顧客に対する共感的な態度が必要です。

なぜカスタマーサクセスとカスタマーサポートを混同してしまう?

カスタマーサクセスとカスタマーサポートは、ビジネスにおける重要な顧客対応戦略であり、顧客体験の向上と顧客満足度の向上を目的としています。しかし、これら二つの概念はしばしば混同されがちです。その理由と、それぞれの戦略が特に必要とされる状況について解説します。

カスタマーサクセスとカスタマーサポートはそれぞれどのような時に必要?

カスタマーサクセスとカスタマーサポートを混同してしまう主な理由は、両方とも顧客の問題解決や満足度向上に直接関わる役割を持っているためです。しかし、そのアプローチと目的には重要な違いがあります。

カスタマーサクセスは顧客が製品やサービスを通じて成功を達成することを支援し、長期的な関係を築くことを目指す一方、カスタマーサポートは顧客からの問い合わせや問題に対して直接的なサポートを提供し、短期的な解決策を提供することに焦点を当てています。

これらの違いを適切に理解した上で、顧客に対して必要な対応を取れるようにしましょう。

まとめ

カスタマーサクセスは、顧客が製品やサービスを通じて目標を達成し、成功を収めることを支援するための戦略です。このアプローチでは、顧客の長期的な成功と満足を目指し、継続的な関係構築に重点を置いています。カスタマーサクセスは、顧客が直面するであろう課題を予測し、積極的に解決策を提供することによって、顧客のビジネス成長を支援します。この役割は、特に顧客の成功が企業の成功に直結するビジネスモデルにおいて重要です。

一方で、カスタマーサポートは、顧客が製品やサービスの使用中に直面する具体的な問題や疑問に迅速かつ効果的に対応し、解決策を提供することに焦点を当てた役割です。カスタマーサポートは、顧客満足度の向上と、製品やサービスの使用経験をスムーズにするために不可欠です。このプロセスにおいて、カスタマーサポートチームは、顧客からの直接的なフィードバックを受け取る機会も得られ、それを製品やサービスの改善に役立てることができます。

カスタマーサクセスとカスタマーサポートは、そのアプローチ、目的、および提供する価値には明確な違いがある一方で、どちらも顧客体験を豊かにし、ビジネスの成功に貢献するために不可欠です。

ビジネスがこれら二つの戦略を適切に理解し、実装することによって、顧客満足度の向上、顧客の成功の促進、そして最終的にはビジネスの成長と繁栄を実現することができるでしょう。是非それぞれの特徴を把握した上で顧客体験向上に取り組んでください。